「私ね、さっき見た通りなんだけど、ヤンキーだったの。高校入ってからすぐ、周りより遅い二次反抗期がきてね、ぐれちゃったの。」

「「・・・。」」



 やっぱりそうだったんだ。。
 ずっとそんな気がしてたんだよね。
 自分では気づいてなかったのかもしれないけれど、たまに言葉に出てたんだよ...


「でね、毎日ケンカに明け暮れてた。相手は他校の女ヤンキーだった。時には男だったりしたんだけどね!私強かったんだから(笑)」



 笑わせようと思ってるのだろうけど、なんとなく笑えない。。

 男の人はキツいでしょ…





「でもね、その当時強いって言われてた男に街でばったり鉢合わせして、ナンパされてさ。イラッとしてケンカ吹っ掛けちゃったの。」

「それはさすがにキツいですよ…」

「うん、そうなの。全く歯が立たなくてもうボロボロになってた。そんなとき一人のヒーローが現れたの!」

「ヒーロー、ですか…」

「それって林先生ですか?」

「うん、そうよ。橘よくわかったわね!」

「二人を見ていればなんとなくわかりました。」



 橘くんすごい・・・!!

 観察力ある~!




 もしや、エスパー?(笑)





「そっか。でね、ユーダイ強くってさ!2回殴ったくらいで勝っちゃったの。そのときにね、『一人で強がってんじゃねぇっ!無理なときはひとを頼れよっ!』って言われたの。」


「今は想像も出来ないですね。。」

「本当ね!私そのとき誰も信じられなくなってたの。だからすっごく心の奥まで染み渡ってきて。。それから一緒に過ごすようになったの。」

「だからかなり親しげなんですね…」



 二人を見てると恋人みたいに見えるもん!





「こういう道に導いてくれたのもユーダイだったの。私ヤンキーのわりには、読書が好きだったのよ。小さいときから好きでね。。それに気づいたユーダイが『図書アドバイザーはどうだ?』って薦めてくれたの。」


 へー、案外いいヤツなんだー?





「それからは二人で猛勉強して、大学に行ったの。ユーダイは教師に、私は図書アドバイザーになるために。・・・まぁ、そして見事二人ともなれたのよ。・・・・・・これが今までの話。」



 人には色んな過去があるんだね…

 話を聞いてると、なんだか近間先生って…