精一杯の笑顔を橘くんに向けてそう言った。
「やっぱり、有栖川さんのお嬢さんはきれいですね。うちの息子には勿体無い。」
「いやいや、彩人くんの方こそ落ち着きがあって尚且つ、整っているじゃないですか。」
なんだろう。
このお互いの子供を誉めあう会話は。
「まぁ、立ち話もなんですから、お掛けになられたらどうですか?お父さん方と小夜さん。」
「あぁ、そうだな。…どうぞ、お掛けください。」
私たちは橘くんにうながされるまま、ふかふかのソファーに腰掛けた。
そろそろ座りたかったから丁度よかった。
橘くんは気づいていたのかな?