「改めまして。婚約者の橘 彩人です。」



今目の前にいるのはクラスで影の薄い橘くん。





本当なんだ。



でも、本当にそうだとしたら、確かに橘くんのあの意味深な言葉だって理解できるんだ。



“どうせ、夜嫌でもじっくり見ることになるでしょう?”





図書室で言ってたあの言葉、こういうことだったんだ。





そして、私は何も知らないと踏んだ、橘くんは、



“あぁ、そういうことですか。…何でもないです。”





そう、言ったんだ。





バカだ...


私、バカだ。。





なんでこんなとき、IQ298の頭は使えないんだろう。





…この事実を私はたった今受け入れなければならない。。










「改めまして。婚約者の有栖川 小夜です。」