「どうせ、妻って呼ばれるのに慣れてなくてもだえていたんでしょう?」


「ちっ、ちがうっ!!」


「そんなにムキになったって、顔が赤かったら意味ないですよ…?」


「なっ・・・それはっ……」





 彩人くんが耳元で話すからでしょっ!!



 耳に息がかかる度に心臓が跳ねて暴れる。



 彩人くんの体に触れている背中から火照って、身体中から熱を放っている。





「ふっ…本当にダブルベッドでしたね」


「うん……でも、ひとつしかないよ?」


「えっ」





 あれ?


 私何か変なこと言ったかな?



 彩人くんが目を見開いてパチクリパチクリしている。





「逆に訊きますが、なぜひとつではダメなんですか?」


「私たちふたりいるんだよ?2つ必要じゃん!」




 呆れたように『はぁ』とため息をつかれた。





「小夜さんの思考回路には、一緒に寝るという考えはないんですか?」


 え………