手を引かれて向かったのは教会。



 そこで待っていたのは牧師さん。





「橘 彩人さん、あなたは有栖川 小夜さんを生涯愛すことを誓いますか?」


「はい、誓います。」


「有栖川 小夜さん、あなたは橘 彩人さんを生涯愛すことを誓いますか?」


「はい、誓います。」


「それでは誓いのキスを。」





 牧師さんを向いていた体を右側に反転させ、彩人くんと向き合った。



 優しく微笑む彩人くん。


 私もきっと微笑んでいる。



 顔にかかったベールがゆっくり持ち上げられ、目が合った。



 少し照れくさくてそらしそうになるのを必死に抑えた。



 ゆっくりと唇が重なり、ゆっくりと離れた。





「さぁ、みなさんのところに行きましょう。」


「うん!」