「うっ……」
「ごめんね。」
顔を真っ青にして、もどしている彩人くん。
相当、香水が苦手らしい。
結局彩人くんは大丈夫じゃなくて、保健室で横になっていた。
「小夜さんが謝ることじゃないですよ。悪いのはボクです。」
「彩人くんは悪くないよ!」
「いえ、ボクの不注意です。ボクが気をつけてさえいればこんなことにはなりませんでした。自業自得です。」
彩人くんは優しいけど弱々しく笑って『気にしないでください』と言った。
もとをいえば、私が悪いんだ。
私が補習を手伝ってほしいなんていうからっ……!!
「彩人くん、補習もうしなくていいいよ」
「えっ……?」
「ほら、もう一人でもできるようになったし!」
「でも……」
まだまだ不安だと言わないばかりに、心配そうな顔をしている彩人くんに対し、精一杯笑って『大丈夫だから』と言った。
「わかりました。……気を付けてくださいね。」
「うん。今まで手伝ってくれてありがとう!」
そう言うと、彩人くんは切なそうな顔をして笑った。