ヒヤリとした橘くんの手が頬に触れた。



「橘くんの手、冷たい」


「あ、すみません。平熱が低いので...」


「ううん、いいよ。冷たくて気持ちーぃし。」


「そうですか...?」




 本当はなんとなく熱かった。


 触れられているところは冷たいはずなのに...



 熱くて熱くて仕方なかった。




 だけど、なんとなくだけど、触れられていたかった。




 今までにはない感情で、自分のことなのにそれが上手く把握できなかった...。