私はお兄さんにお礼を言って、屋上をあとにした。
やっぱり向かう場所は教室しかないわけで………
もう、6時間目の授業も終わり帰るだけとなっていた。
教室に入ると、痛いほどにたくさんの視線が刺さってくる。
きっと、大騒ぎをして出ていったからだろう。
でも、今はそんな視線どうだっていい。
話したいひとは、たった一人しかいない。
「彩人くん、どうしても話したいことがあるの。都合のいいやつだって思うだろうけど、どうしても話したいの。」
私は真剣にそう言った。
しかし、彩人くんの表情は雲ってしまった。
「すみません。用事があって…話したいのはやまやまなのですが………」
そこまで言うと黙ってしまった。
「それならしょうがないね………」
彩人くんにだって都合がある。
それは仕方のないこと。
だから、素直に受け入れる。