屋上に着いて、私はいきなり振り返って彩人くんを抱きしめた。



 翔流くんに言われた通り。





「っ!?小夜さん、何してっ…」


「私、彩人くんのことが好きなの。」





 ねぇ、本当に大好きだよ。


 伝わって?

 私の想い!





「本当、ですか…?」


「うん。」


「恋愛感情でですか?」


「うん、恋愛感情で好きだよ。」


「っ…信じていいですか?」


「信じてください。」


「・・・嬉しいです。ありがとうございます。」





 彩人くんは柔らかく微笑んだ。

 安心したように、嬉しそうに。



 そして、私を抱きしめ返してくれた。





 しばらくそのまま私たちは抱き合っていた。