桃杏の大絶叫がここら一体に響いた数十分後、
「えっと、要するに…」
桃杏は頭に人差し指を当てながら、喋るうさぎと状況把握をしていた。
「あなたはうさぎのぬいぐるみじゃないと」
「あぁ、俺はリクって名前だ」
「リク、ね、了解。で、ここは私の住んでいた世界とは、違う世界だと」
「メロランドって言うんだ。俺がおまえをこの世界に連れて来た」
「もしかして、物置でうさぎのぬいぐるみに触ったから…」
「あの時は頑張ってぬいぐるみのフリしてたんだよ」
「肩こったんだぞー」とリクは短い腕をぐるぐる回しながら笑った。