「俺、元は人間だったんだけど、呪いかけられてて、命とかには別状はないんだけどさ」
人間?
呪い?
そんないきなり過ぎてわけわかんない。
桃杏の頭はパニックになる。
ただ、リクの目は真剣で、とても冗談を言っているようには見えない。
「16歳になったらうさぎになるってゆうのが俺の呪い。今は15歳だから、昼間はうさぎでも、夜は人間に戻れるんだけど。あと1年経ったら俺は完璧うさぎになっちまうんだ」
人間のリクは、私より年上だったんだ。
と桃杏はそんなことを思った。
呪いなど、今までの生活からして実感が湧かない。