拗ねる景時の呟きを聞いて、黒曜が声を荒げた。

そして、茫然自失で座り込んだままのうさぎを指差す。


「オメェ、あの肩見ろ!!」


「うさぎの?
え… ええぇぇぇぇぇ?!
血?! 血が?!
うさちゃ、ケガケガ…」


「オメェが喰いついたンだろーが!!」


「ぅええぇぇぇぇぇ??!!
まじでか?!」


マッパも忘れて飛び上がった景時が、慌ててうさぎに寄っていく。

そっと白い肌を晒すと、左肩に深く噛んだ痕がある。

背中の傷は、爪で裂いてしまったのだろうか。

血は止まっているようだが…

景時は無惨な怪我に障らないよう細心の注意を払って、うさぎを優しく抱きしめた。


「ごめん…
俺、なんてコト…
ごめん…」


彼の顔は、自らが傷を負ったかのように引き歪んでいた。