それを見て視線を交わした大吾と祥子が、いつものキモ杉だ、ほんとに散歩だったンだ、なんて囁き合っている。
納得してくれたンなら良かったケド、やっぱイヤな判断基準だな、ソレ。
でもさー、うさちゃんにあんな可愛い顔されちゃ、ダレでもこーなるよ?
ダレでも顔面崩壊するよ?
まぁうさちゃんは俺のだから、ダレにもわけてやンないケド。
もう一度うさぎを腕の中に閉じ込めようと、景時が手を伸ばす。
だが、残念。
一瞬早く、うさぎの手は小鞠に握られていた。
(俺の…)
「ねぇ、うさぎちゃん。
携帯持たない?」
行き場のない手を伸ばしたまま肩を落とす景時に注意を払うこともなく、小鞠は真剣な眼差しでうさぎに語りかけた。
「携帯があれば、散歩に行っても連絡取れるでショ?」
「携帯…
あの小さな箱のような物か?」
うさぎが首を傾げて考え込む。