可笑しそうにその様子を見ていたうさぎが、薫に近づいた。


「薫、案ずるでない。」


ゴツい手をそっと取り、微笑みを浮かべて薫を見上げる。


「え…
え?///」


「妾は景時に術
ひゃ?」


小さな声を上げたうさぎが、薫の目の前から忽然と消えた。

あー…
デジャブ。

ごく最近もあったな、こーゆーの。


「おーい、景時?」


溜め息混じりに呟いた薫が視線を移すと、案の定…


「俺、我慢してンのに。
俺、我慢してンのに。
俺、我慢してンのに…」


壊れ気味の景時が、もがくうさぎを腕の中に閉じ込めていた。

我慢って、ナニ?

我慢なんて、してねーじゃん。
愛情剥き出しじゃん。