静かな声。
だが、苦悩と決意に満ちた声。

薫に向かって足を踏み出したままの格好で、景時は凍りついた。


(ナニ言ってンの─────?!
このコ─────?!)


「このままじゃ、このバカは…
お願いします。
その、なんとかって術を」


「クァwセdrftgyフジコ??!!」


奇声を発した景時が、蹲る薫を渾身の力で床に転がした。

さらに、勢い余って自分も一緒に転がる。

そりゃ、慌てマスヨ。
転がりもシマスヨ。

だってそんなコト言ったら、またうさちゃんが…

脱け殻のようなうさぎ。

人形のようなうさぎ。

去っていくうさぎ‥‥‥

ダメだ。
ムリだ。

もう耐えられる気がしない。