「空が綺麗だなぁ。」
香はこの屋上に来るようになってから、独り言を言うのが増えた。
等の本人はその事については気づいていないようで、無意識なようだ。
今日も変わりない屋上だが、急に屋上の扉が開いた。
正確に言うと、扉が開く音が聞こえたのだ。
いつも、香が座っている所は壁の影になっており、扉は見えない。
勿論、扉がわからこちらも見えない。
「ねぇ。悠哉ぁ。キスしてよぉ~。もう、誰も居ないんだしいいでしょ?」
「ん?いいよ。」
屋上に来たのは甘ったれた声を出す、背が小さめの女の子と、背は高めだが顔は童顔でとても可愛い顔をしている男の子だ。
だが、香からは見えないので、声だけで性別を判断するしかなかった。
屋上から出ていきたい気持ちはあるが、今出ていくと、とても気まずくなるのは目に見えている。