俺の腕の中に閉じ込めるみたいに抱き締めていた筈なのに


彼女とのキスに酔いしれていたら、


いつの間にか、俺は彼女に覆い被さっていた。


杏花の瞳は艶気を帯びて、


俺に全てを委ねるように煽り立てる。


「どうして欲しい?」


「えっ……?」


「俺にどうして欲しいか、言ってみ?」


「ッ?!//////」


こんなにも俺ばかりが煽られて少し癪に障るから


ちょっとくらいは俺に余裕を味わわせろよな。


黒目がちな瞳が瞬きも忘れ、大きく見開いた。


俺は彼女を追いつめるように熱い視線を送ると、


耐え切れなくなったのか、瞼がギュッと閉じられた。


そんな彼女にすかさず、


「そっか、そうだよな。ずっと離れてたから、俺なんていなくても平気だよな」


「えっ、そ、そんなことないよっ!!」


「だって、俺にして欲しい事は無いんだろ?」


「ッ?!/////」


煽られたお礼とばかりに彼女を煽り返すと、


「あっ………る……よっ////」


「何?」