室内の薄暗さに気付いた俺は、
サイドテーブルの上に置かれたリモコンに手を伸ばすと。
「あっ、要!電気は点けなくていいから」
「暗くて大丈夫なのか?」
「うん、オムツを交換したら多分寝ると思う」
「授乳しなくていいのか?」
「無理に飲ませると癖になるの」
「へぇ~」
「お腹が空いてれば、寝ないから」
「そうだな」
杏花はすっかり手慣れた手つきでオムツを交換する。
その眼差しは、とても穏やかで美しさが増した気がした。
俺以外の男にあんな表情をしたのを見るのは初めてだな。
自分の息子だと解っていても、
やはり、杏花は俺だけの女でいて欲しいと願ってしまう。
男とは、いつになってもガキなのかもしれないな。
杏花の言う通り、お尻がサッパリした斗賀は
すぐさま夢の世界へと誘われて行った。
オムツの後片付けをして戻って来た杏花。
俺が呼ばなくても、俺のもとへと滑り込んで来た。
「いつの間にか、私寝ちゃったんだね」
「俺もな」
自然と絡まる視線。
お互いに、求め合うように唇が重なった。