ハーブティーを飲み終えた俺らは、ベッドへと潜り込んだ。
「杏花」
「ん?」
「少し、話でもしようか」
「………うん」
俺は機内で十分と言っていいほど睡眠を取った。
そして、杏花の話によると
斗賀がしっかり睡眠を取るようになったお陰で
杏花もまたしっかりと睡眠が取れているらしい。
夜はまだこれからという時間帯。
明日の昼までの限られた時間しか俺らには無い。
逢えなかった時間を埋めるように
俺は彼女の身体を抱き締めたまま
逢えなかった間の出来事を語り合った。
どれ程の時間をそうしていたのか。
杏花はいつのまにか俺の腕の中でウトウトし始め、
今にも桜色した小さな唇から寝息が漏れて来そうだ。
「おやすみ……杏花」
俺は彼女の唇にキスを落とし、ゆっくりと瞼を閉じた。
「ふっ……ぅぇえ~ぇんっ……」
静寂を打ち破ったのは、紛れもなく我が家のプリンス。
俺の腕の中からスルリと抜けだし、
杏花は斗賀のもとへ起き出した。