なんとか教室に辿り着き、ドアを開ける。


−−ガラッ−−


教室にいた人の視線が私に向けられる。

知らない人ばかりだ…。

まぁ、当たり前か。

また自分の名前が書いてある机を探して鞄を置き座る。

「ふぅーっ」

やっと座れた

「お前…初めて見る顔だな。どこから来たんだ?」

「えっ?!」

突然、隣に座っていた男子に声をかけられた。

優しそうな男子だ。

結構格好いい。

「二駅前のところ。」

「ふぅーん…あ、名前木野夏菜って言うんだ」

なんで名前を知って…?

あっ机に書いてあるからか。

「うん、ななって呼んで。キミは?」

夏菜って呼び方嫌いだから、『つ』を抜いて、なな。

だってなんか嫌じゃない?!

「俺は新川瑠斗(シンカワルト)。呼び方は…なんでもいいよ。好きに呼んで」

「新川瑠斗くんね、瑠斗くんて呼ぶね」

「これからよろしく、なな」

「こちらこそよろしく」

中学生で初めて出来た友達は、隣の席の新川瑠斗でした。