「俺、……あの、俺。」

「早く言ってよ」


エイプリルフールなんて中田のためにあるようなもんだもんね。

そんな日に生まれたんだ。

…なんか納得いくかも。

なんて、1人で考えて笑いそうになっていたときのことだった。


「俺、平山のこと好きなんだけど」


中田の小さな声が耳に届いた。


「…は?」


嘘だと分かっているのに、想像もしていなかった言葉に動揺してしまう。


そう、嘘だった。

だって今日はエイプリルフール。

こんな日に、中田が嘘をつかないわけがない。