飲み物を持って自分の部屋に戻ると中田は、なぜか自分の部屋のようにくつろいでいて。


「…何しに来たわけ?」

思わずそう聞いてしまった。


「だーかーらー、言ったじゃん。俺、今日誕生日なんですよ!」

「いや、うん。まぁ、それは知ってるんだけど」

「この前言ったもんな!」


わざわざ誕生日にあたしに会わなくても。

中田の誕生日を祝ってあげたい女の子なんて、いくらでもいるはず。

あたしみたいに、全く祝う気のない女子力が0に等しい女のところに来てもね。


「はいはい。で、ほんとは何しに来たの?」

怪しすぎる。

だってあの中田だもん。

あ、女の子だけじゃなくて、男友達もいっぱいいるじゃん。絶対祝ってくれるじゃん、中田だし。