「……で、そいつ何」
見るからに不機嫌に、忌々しげに俺の隣の矢野を見る。
「あ、こいつがその、転校生の矢野っつー、俺の幼馴染みです。」
矢野を見る、先輩の眉間に皺が増える。
「うっす。バスケ部入ろうと思ってます、矢野俊斗です。よろしくおねが」
言い終わらないうちに、先輩がいきなり強引に矢野を押し退け、俺の手を取った。
「わかった、適当に見学してけ! とりあえず、俺とこいつは帰る!!」
呆然とする俊斗とその他バスケ部員一同を脇目に、俺達はその場を去った。