桜の花びらがちらほらと地面に影を落とす、新学期。



進級とともに新しいクラスが発表された。



嬉々な顔をしている人、

悲哀な顔をしている人、

何ともいえない微妙な顔をしている人。



クラス発表だけでこんなにも気分の上がり下がりがあるなんて

私には理解ができない。



-和田春羽。



なんて和を感じさせる名前なんだろう、と今さらながらに思う。



存在しているのかいないのかわからないような影の薄い私の名前は
2年3組の欄の一番下に書いてあった。



友達なんていない私はクラスメートに興味はない。



誰となろうが、学校生活に関係ないし。



教室へ向かおうと思い、クラス発表のため賑わっている人ごみを抜け

春休み中にキレイになった校舎へと足を踏み入れた。