真理子は美緒の言葉にやけに納得していた。


「実家ってさ、通勤遠くなるんじゃなかったっけ?
早く帰らなくちゃいけないって呑めなくなっちゃう」


涼子の言葉が何とも可愛く感じた。


『確かに遠くはなるね。
遠くなるって言ったって、何時間もかかる距離じゃないし、タクシーで帰れるから、呑みには行けますよ』


美緒がそう言うと、涼子は嬉しそうな顔をした。


それからしばらくの間実家の話になり、昼休みは終わった。


午後からも仕事は忙しく、バタバタしているうちに、あっという間に仕事の終わる時間。


「お疲れ様でした」


「お先に失礼します」


社員達は次々と帰って行き、オフィスに残っていたのは美緒と美紀だった。