「ど、どうしよう…」 うぅ…先が思いやられる…。 私、建物のなかで “迷子”という表現を 使う日がくるなんて、 思ってもいなかったよ……。 そんなことをぼんやりと考えていると…。 「オイ、お前、なにしてんの?」 いきなりそんな言葉が降ってきた。 顔を上げるとそこには―…。 「…っ!」 サラサラの茶髪。 背は大きめで、 整ったキレイな顔。 イケメンが 不機嫌そうな顔で 私を見下ろしていた。