「ああ、元気だよ。今日はクリスマスだから早く帰って来いって、おどされた」

あはは、と明かるく笑って郵便屋は、認印と小包を千歳に渡した。

「ははは…」

千歳が笑う隣で、鳴海もクスリと笑った。

「あれ、さつきちゃん。彼、新入り?」

郵便屋はカウンターに座っている、エプロン姿の鳴海に気づいて言った。

「あ、そうなんです。鳴海…君、一ヶ月前に入ったんですよ」

「へえ、しばらく忙しくて来れなかったから、知らなかったなぁ…よろしく、オレは生島晴彦」

郵便屋こと生島は、鳴海の方に近くと右手を差し出した。

鳴海は立ち上がって、生島の手を取ると自己紹介した。

「…はじめまして、鳴海静時です。よろしくお願いします」

鳴海は丁寧におじぎをしながら、生島を見た。

背は鳴海より少し低い感じで、どこか穏やかなフンイキが漂っている人物だった。

″年は35・6といった所かな…?″

そんな事を思っている鳴海と生島は目が合うと、ニッコリと笑った。