「…仮にそうだとしても、途中入部は波紋を生むと思いますよ、特に女子」

「えーー?何で?そうかなーー」

これを聞いて三波は、こめかみを押さえた。

″…先輩は分かっていない!いかに自分がモテるかを…そしてその魅力が異性だけでなく、同性にも有効だという事を…″

「…ああ、もういいですよ、とにかく急いで下さい。秋の大会が近いんですからね…部長!」

皮肉を込めて、部長を強調すると言った。

「えへへ…いつもありがとうね、みなみちゃん」

必殺?花園の人懐っこい笑顔が、三波を打ちのめした。

「〜〜〜〜」

″…なんてこの人の笑顔は、たちが悪いんだろう…うう…同情しますよ、千歳先輩…″

赤くなった顔を見られないように、三波はひたすら花園より前を歩くのだった。



「本当、たちが悪い…」

その頃、千歳の方でも同じようなセリフを口にしていた。

三波が花園を連れて行ってくれたおかげで、花園の強引な勧誘から解放され、千歳は一息つくと思った。

″…二代目…花園付きマネージャーは、彼に決まりだわね…″

「同情するわ…三波君…」

千歳は苦笑すると、ひそかにエールを送った。