二人の会話を聞いていた鳴海が、何か思いついたらしく、花園に耳打ちをはじめた。

うんうんと、うなずく花園と鳴海が、そろって千歳を見ている…

「?なに二人とも…」

嫌な予感がして、千歳は後ろずさった。

「さーえーちゃん、お手♪」

鳴海と花園は、それぞれ千歳に向かって手を差し出した。

「〜〜二人とも、人で遊ぶんじゃなーい!!」

悲しいかな…条件反射のように千歳の意思は無視され、体が勝手にお手をしていた…

内側から込み上げる衝動に、逆らえない自分が情けなく…ガクリと千歳は、うなだれた。

「いやー冗談のつもりだったんだけど、やってみるもんだね」

鳴海がニヤニヤ笑いながら、千歳の顔を見た。

「……」

少しの沈黙の後、″バチーン″という平手の音が鳴った…

そして、手の平を強かに叩かれたヤロー二人が、涙を流しながら大笑いして床に転がっていた…


新年の夜に、笑い声と除夜の鐘が鳴り響いていった…

Fin