食事が済み、水を一口飲むと鳴海はさえに聞いた。

「…さえちゃん今日、式見てた?」

「うん!見てた見てた」

「そっか…じゃあ知ってるよね」

鳴海は口元を隠して笑った。

「ついに…彼女と同じクラスになっちゃったね」

「うん、びっくりした!どうしよう、お兄ちゃん」

さえは嬉しそうに、身を乗り出した。

「同じクラスになったら面白いね…って話してたけど、三年生で本当になるとは思わなかったね…」

手元のグラスをもてあそびながら、鳴海は続けた。

「…あのね、同じクラスになったら、彼女と話してみたいな…って思ってたんだけど…どうかな?」

「えーもちろん!それで友だちになったら、おもしろいよねー♪」

「あはは、そうだね…それじゃ君の事、話してもいい?」

「え?ああ、そっか…でもそうしたら、どうなっちゃうのかな?」

「…どうかな…調べてみようかな…」

「私帰っちゃうのかな?え…ちょっとそれはー…」

「その子、誰?」

さえが言いかけた時、突然背後から声をかけられふり向くと、トレイにラーメンをのせた男子生徒が立ち尽くして、さえの事を見ていた。

「え?見えるの?」

「え?」

「えーーーっ?!?」

さえがひときわ大きな声で叫ぶと、その生徒、花園 樹と目がバッチリ合い固まった…