その声に思わず、ビクリと、反応してしまう私。




そんな私を横目で見た涼太がその声の主に向かって、




『…乃愛ちゃん、遥斗は自分のクラスにいるんじゃない?』




そう言い放った。





『あ、涼太先輩!おはようございますっ!わかりましたー!教室に行ってみますね!』





涼太に可愛い笑顔を向け、去っていく女の子。





――…実は、この子こそが、私の中で今、最も近づきたくない人なんです。