誰もいない生徒会室の、昨日会長が立っていた窓際に近付いた。


校舎の五階からは、部活中の生徒の姿は見えるけど、声はほとんど聞こえない。


桜の花びらがフワリと風に舞っているのも見える。


生徒会室のドアが開いた音に振り替えると、今日も笑顔の会長が入ってきたところだった。


「早いな、莉子」

会長は空いているデスクにバッグを置くと、あたしの横に立って外を見る。

あたしはその会長の横顔に見とれていた。

かっこよくなったなぁ、なんて思いながら。