何もないなんて嘘だって、お見通しなんだろうな。

機嫌のよさそうな会長の顔は、子どもの頃に見たイタズラっ子の表情だった。


「明日の放課後、委員会の予算案を作るから生徒会室に集合な」


はい、と返事をすると、会長は満足そうに頷いた。


さっきみたいに髪に触れて欲しい…かも。

そう思ったけど、会長はあっさりと校舎に戻っていった。