「やだなぁ。辛いし」

「失恋はねー、勉強はかどらないしね」



あ、そうだ。
絢那はそう言って、携帯を取り出すと私の目の前に画面をつき出す。



そこに写っていたのは、



「…あ。荒れすぎ?(笑)」

「うん、荒れすぎ」



私のSNSの日記画面。



失恋すると吐き出し口みたいなものがほしくなって
SNSの日記に、自分の心情をさらけだしてしまう。



そのおかげで友達から「大丈夫?」といった内容のメールばかり送られてくる。



「なんかさ、書くとちょっとすっきりするんだもん」

「これは、病みすぎでしょ」



絢那は呆れたようにため息を吐き、でも、と続けた。



「結衣は、SNS荒れててもさ」

「ん?」

「愚痴るだけで態度に出ないからさ。あんま無理しないんだよ」



よしよし。
そう言って絢那は私の頭をなでる。