「話聞くけど、お茶代は結衣のおごりでしょ?」



そう言って年末の忙しい時期に会ってくれたのは
同じクラスメートの絢那。



絢那はおとなしめな美人、って雰囲気だけど
思ったことをちゃんと言ってくれて(直球すぎるときもあるけど)、悩んでるときすごく頼りになる。



学校帰りによく寄るファミレスで、それぞれの注文が終わったところで「元彼」の愚痴に入る。



「あのね、絢那聞いてよ!!」

「うん、聞く聞く」

「あいつ、クリスマスの日に私のこと振ってきたんだよ!あえてのクリスマスに!」

「あれ、名前、蓮だっけ?」

「違う、それは元々彼氏。元彼は辰樹!」



興奮気味に私がそう言ったところで、



「こちら、プリンアラモードになります」



と店員さんは片手で器用に持って来たデザート皿を絢那の前へ置き、一礼してから去って行った。