だけど――


ゴールデンウィークが明けた頃……


部活帰りに、忘れ物をしたことに気付き体育館へ引き返した。



誰もいないはずの体育館から、ボールを弾く音が聞こえてきた。


そーっと、扉を開けてこの目に飛び込んできたもの。


それが俺の心を大きく動かした。


キミが何度もシュート練習をしていた。


あまり上手とは言えないシュート。


ボールがゴールを弾くたびに溜め息をもらし……


でもそれを拾っては、またシュートを放つ。


その一生懸命な姿に……


そしてゴールを決めた時の、太陽のような明るい笑顔に……


俺は今まで感じたことのない、初めての感情を抱いた。