「……はい…」
今の今まで寝ていたかのような掠れた声でドアを開けたのは綺麗な男の人だった。
長身でサラサラな茶髪、黒のタンクトップを着ている為、細身だがわかる筋肉質な身体
左耳には銀のピアス
首には黒のチョーカーのような物が巻かれていた。
第一印象
ヤーさん(ヤクザ)の様であった。
「…あっ、あの!私今日隣に引っ越してきた橘で……」
挨拶だけして後は関わらない事に決めた。
タオルを渡して帰るつもりだったのに
「なーーーーーーぉ」
と、妙に間延びした声と共に
私の顔全体に降りかかったもふもふ
そのまま私は後ろに倒れましたとも
「…な、なん」
顔からよけたそのもふもふは
「みゃーーう」
猫だった。
「ね、猫……?」
の、首には随分サイズの合っていない首輪が着けられていた。
と、いうより
ぶら下がっているというか絡まってるというか
てかこれ、見たことが‥
赤い首輪
『こちらが盗まれた[乙女の鮮血]の写真でー‥』
さっきのニュースが頭にフラッシュバック
「お、乙女の鮮けー‥ツムガッ」
バタン、ドン!
擬音でわからないだろう皆様に説明いたします。
私は今、命の危機であります。