「なんかアイツにはほんと
ちっこい頃からさ かなわないんだよな~。
飄々として結構うまくやり過ごしていくのは
アイツの天性だと思うけどさ……。
今は遠い存在になったな~。」

「はぁ・・・・遠い存在ですね。」

「先生は アイツの彼女だったんでしょ?」


ドッキン

「一応…まぁ……そうですけど……。」

「芸能人と付き合ってたってどんな感じ?」

「どんな感じって言っても……。」

答えに困るよ

「蘭ちゃん・・・。」

「へ?」

「あの頃は有名だったな~」

「どうしてですか?」

「うちのさ 一応奥さん
佳真命だったんだよね~ちっこい頃から・・・
俺はずっと片思いで……だから蘭ちゃんと
付き合ったって聞いたときは ぶっつぶすってさ。」

「ぶっつぶす?」

父親が笑った。

「俺的には応援してたんだけど。」

「奥さんのこと好きだったんですね。」

「そ それでそこに入り込んで
ゲットしたわけだけど……今となっては
それが正解だったのか わかんねーや。」