「蘭はいいな~頭がよくて。
俺はホントこの世から勉強なんてなくなればいいよ。」

佳真はテストの結果にどんよりしていた。

「また かあさんに発狂されるよ。」

「佳真のおかあさんは 優しいじゃん。」

「優しいよ。だけどけっこうウルサイんだ。
仕方ないけどね。俺は進路どうしようかな。
蘭は大学行くんでしょ?」

「そのつもりだよ。」

ため息をついた。

「勉強に関しては 毎日の積み重ねだからね。
とりあえず毎日やって宿題する 佳真
写しているからダメなんだよ。」

「わからんもん。」

悪戯っぽい顔を見てると全部許しちゃう。

「俺が蘭に勝てることと言えば
この想いくらいかな~。」

「バカね~。」

違うよ 私の勝ちだよ。

私の方がたくさん好きだもん
それをただ 口に出せないだけ。


好きで好きで 会いたくて……
ただ忙しい佳真とは 週一度だけ会えるだけで
それでもそれがキャンセルされたりしたら
むちゃむちゃ 腹が立つんだよ。