「安田さん?」

「どうも 遅くなってすみません。
ちょっと両手ふさがってるから
部屋まで運んでくれる?」

「は?」

園長がイケメンだと言っていたけど
佳真には負けるけど

イケメンなのは暗闇でもわかった。

安田は部屋の鍵を開けると先に家に入って行った。

「ちょ・・・ちょっと・・」


陸を抱っこして慌てて部屋に駆け込んだ。

「ベットに寝かせておいて。」

散らかった部屋を踏まないようにして
奥の部屋に陸を寝かせた。

布団をかけて この子の置かれた境遇に同情した。

「陸くん お腹すかせてましたから
ちゃんと食べさせてくださいね。」

体中の毛穴から怒りが噴出してきているのを
必死に抑えた。

「それからこういうことは困ります。
明日からは時間守ってください。」

「仕事だから難しいんだよ。」

ため口だし

「じゃあ直接明日にでも園長に連絡してください。」

「わかった。」

「おとうさんが自分を
嫌いだからいなくなったのかもしれない
陸くんは不安がってましたから…可哀そうですから
しっかりスキンシップとってください。」