「蘭先生のとこに来週からなんだけど
一人園児増やすから…。」

夢心地から現実へ

「増やす?今頃ですか?」主任

「うん・・・・。事情があって
父子家庭になったらしく 保育園がいっぱいで
とりあえずうちの預かり保育を使いながら
保育園の空きを待つ形。」

「預かりは五時までですよ。
おとうさん お迎え間に合うんですか?」

「その時間になれば祖父母が対応できるらしい。」

「途中入園ってまためずらしいですね園長。」

「実はそこの家の祖父母と知り合いで……。」

「コネですか?ヤバくないですか?」

園長はタジタジになっている。

「うちの園は 幸いにも園長人気で抽選までして
入ってくるんですから 中途入園となれば
文句もでるかもしれませんよ。」

私も中途は避けたかった。
だいたいみんな落ち着いてきて
運動会に向けての準備も始まってきていた。

すぐに順応できる子ならいいけど
そうじゃなきゃ 今まで築いてきたものが
壊れてしまうから 不安・・・・・。

「保育園が決まるまでって話でさ。」
拝むように園長が私を見た。