「でもやってみたいんだ。
俺 頭よくないしさ 将来の夢もまだ
決まってなくて…焦ってたんだ。
昔は憧れていたんだ。芸能人
成功するかしなかは わかんないけど挑戦してみたい。」

佳真の瞳は輝いていた。

「私はいらないんだ……。」

思わず声になった言葉が哀れだった。


「違うよ。俺は蘭が好きでたまらない。
ずっと一緒にいたいって思ってる。」

「だって別れようと思ってるんでしょ?
邪魔になるから……。待っててじゃなくて
別れようって…。」

涙があふれてきた。


「うち…佳真が待っててって言ったら待ってられるよ?」


終わりにしたくなかった。
佳真の手を離したくなかった。


「ごめん。」

「どうして・・・・?」

「蘭に迷惑がかかるから……。」


立ち止って私は佳真の手を離して顔を覆った。


「俺と付き合ってたら 蘭を傷つけちゃう。
もしかしたら別れたとしても…。そこまで
ビックになれたらの話だけどさ。」

佳真は優しく私を抱きしめた。