「どうしたの?ビックリされっぱなしよ。」

「ごめんな~話があってさ。」

佳真は私の手をつかんで歩き始めた。


川の遊歩道では 犬のお散歩や体力つくりの人たちがいた。


「シャワーとかにも入りたいから…
六時半までには帰りたいんだけど……。」

「うん わかった。」

いつものようにつながれた手はきつく固い。

「気持ちいいな~いい天気だし~」

「こんな時間に歩いたことなかった。」

川のせせらぎに 太陽が昇ってきて空をオレンジに染めた。

鳥の声がとても可愛い朝だった。

「あのさ 蘭……
すごく悩んだんだ…まさかこんなことに
なるなんて思ってもなくて……。」

心臓が痛くて それがとても悪い状況なことを察した。


「転校することになった。」

あまりに驚きすぎて声もでなくなっていた。

「学校…今日行ったら終わり。
明日…引っ越す。」

佳真 何言ってんの?

私は佳真を見上げた。