バスの時間になったから 階段を下りていると
サッカー部の先生たちが 三人集まって
玄関で話をしていた。

「佳真の話聞いたかい?」

「ハッキリ言わないんだよな。
試合を蹴ってまで 行かなきゃならない理由。
あれだけ頑張ってたのに 何だかガッカリだよ。」

「チームワークも心配だな
佳真のキャラでまとまっていたようなものだし。」

「示しがつかないからしばらく
部活停止にするよ。」

「そうだな。」


先生たちも意外だった様子。

みんなが意外だった。
佳真は サッカー部が命だったから

弱くても強くなる夢を見ていた。


そんな佳真が 部停になるなんて ショックだろう。


バスの中でも 佳真とするメールの文章を考えていた。

今日はきっと元気がないんだろうな。


私が元気をつけてあげなきゃ。


だけどいつもの時間になっても
佳真からメールが来なかった。

ずっと携帯とにらめっこしていたけど
自分からする勇気がなくて……結局朝になっていた。