「早川何か知ってるか?佳真 何考えてんだろ。」

同じクラスのサッカー部の山下が呟いた。

「ベンチだけどさ レギュラーとれたんだぞ。
一年 四人 めっちゃこの間喜んでさ
絶対頑張ろうって言ったばっかなんだよな。」

「俺は……わかんねーな。」

佳真はメールでも喜んでいたのに
私にもわかんない。

ただ 取り残されて佳真の姿が
頭に残ってて 勉強に身が入らない。

サッカーが第一
蘭は二番

みたいな佳真が
試合を蹴ってまで 行かなきゃいけない用事って
いったいなんなんだろう……。


放課後 いつものように窓の外

今日の佳真は一人ぼっちだった。
いつもたくさんの友達に囲まれ笑っている佳真は

ボールを見つめて
一人で立っていた。


できれば好きな人のそんな姿は
見たくないけれど

佳真は一人じゃないんだよって…そう伝えてほしい。


蘭がいるからね・・・
いつも一緒だよ。忘れないでね……。