「そろそろ戻ってやったら?
翔さんも頑張ってるしさ・・・。」

「私 自信がないんだもん。
母親になれる自信が……。」

「一度こっそりと陸を見に来てください。
いい子になろうって
あんな小さい子なのに頑張ってます。
おかあさんだって きっと頑張れます。」

陸の笑顔だけじゃない
あの我慢してる顔が脳裏に浮かぶ

「おとうさんとも一度ちゃんと
話をしてみてくださいね。
時々失敗するけど 陸がお迎えにきた
おとうさんの手を取る姿にたまらなくなります。
もうすぐ陸は長く預かってもらえる
保育園に移っちゃうけど……
絶対絶対来てくださいね。」



美月は静かにうなづいた。


よかった
陸 もう少ししたら
おかあさん 陸のとこに戻ってくれるかも。

美月がトイレに立って早川が言った。

「蘭ちゃん 尊敬するよ。」

「何で?」

「子供のためにまっすぐだった。」

「そう?」

「輝いてたよ だから
美月も心が動いたんだよ。」


「そうなったらうれしいな~」

早川の言葉が嬉しかった。