「今度の日曜日さ 悪いんだけど
時間ずらしてもらえるかな。」

日曜デートは 映画に行こうと思ってた。

「どうしたの?」

「うん…ちょっとさ ねえちゃんがらみで
どうしても抜けられないんだよね。
この間からの借金をチャラにして なおかつ
一万円くれるって言うんだ~今日も実は
金なかったからさ~ちょっくら稼いでくる。」

部活がめずらしく休みで
楽しみにしていたのに

「何時?」

「怒ってる?」

「別に。何時?」

「三時に駅で待ち合わせしよ。」

十時から会うつもりが三時

もうガッカリが顔に出た。

「一万もらうからさ おごるよ。」

お金の話じゃなくて 時間の話だし・・・

だけど佳真の顔を見たら怒れなくなった。

「じゃあ カラオケ行こう。」

「カラオケは~~」

佳真がめちゃ歌が上手いのは噂に聞いている。

「なんでウチにだけ聞かせてくれないの?」
またムカついた。