「心と想いを乗せて歌わせていただきます。
僕の想いが あなたに伝わりますように……。」

悲鳴をあげる。
だってテレビの中の 佳真は Kei で
違う世界に住んでいて・・・・
やっぱり Kei は素敵だった。


ギターの音色
目を閉じて心で感じる・・・・・。

そして歌い始めて Kei にかぶりつく。

なんて贅沢なんだろう
この歌声は 私のためだけ・・・・・・

誰もそんなこと知らないけれど
私のためだけに歌ってくれている。

切ない歌だけど・・・・・


涙があふれて Kei の顔がにじんだ。


「佳真も Kei も 大好きだよ・・・・。」

甘くて低い声
繊細な指が 弾く ギターの弦


昔 歌が上手いって評判だった佳真は
彼女の前では歌わない主義だったよね・・・・。

全部が初めての人
私に初めてを教えてくれた人

好きで眠れない夜 会いたくてたまらない時間
キスしてハグして・・・・一つになって

愛の言葉でまた幸せになった

悲しい別れと立ち直れない長い年月も
今すべてが 報われた気がした。

離れていても 佳真のこと信じていれば
乗り越えられる・・・・・きっと・・・。