その後も携帯越しに
海と彼女のやりとりが
大きな声で聞こえる
「もしもし!こと?!
ごめん、今家に彼女
来てて…」
その時私は思った
これで私が海に電話を
かけるのは、これで
最後になるって…
「うん!ごめんね海」
「ことは悪くないよ
俺、後でまた
かけ直すから…」
「ううんいいの!
海が元気かな-って
ちょっと思った
だけだったし
もう、海に電話したり
しないから安心して
下さいって彼女さんに
言っといて?
じゃあ、またね!」
「ちょっ…こと?!
待てよこと!」
お願い海、最後の
電話くらい明るく
終わらせて
じゃないとまた
いつもの心配症が
始まっちゃうから…
電源をきろうとすると
海の私の名前を呼ぶ
声が聞こえた
「こと!おいこ…ブツッ
バイバイ、海…