「………目」
目元を突っつかれて眉をひそめる。
目がなんだ。
目で訴えると、柊は「カラコン」と呟いた。
あぁ。
し慣れすぎて忘れていたカラコンをはずす。
顔を上げると、柊は二カッと笑っていた。
柊の思いっきり笑った顔が久しぶりで、ついついじっと見てしまった。
「本当、綺麗だな、その目」
そう呟く柊。
私の目は、右は赤。左は銀。
異質なこの目を見て綺麗、と言ってくれるのはごく一部の人間。
その一部の人間の、柊には私も心を開いている。
………つもり。
本当は、わからない。
開いてるつもりでも。
もしかしたら、開てないのかもしれない。